ペンギンの身体測定(南アフリカ)
南アフリカには,固有種の「ケープペンギン」が生息しています。
しかし近年,その数は少しずつ減ってきてしまっています。
僕の参加した研究チームは,ケープペンギンの絶滅を防ぐためにいろいろなことを調べています。
その一つが,ペンギンのひなの身体測定です。
ペンギンのお中には斑点が付いています。
これは人間でいう指紋のように,一羽一羽異なっています。
これによって個体識別をして,誰の巣なのか,どんな家族構成なのかを記録します。
ペンギンの巣は森の中にありますが,日中は魚を捕るために海岸に出勤します。
親ペンギンがいない間に,ひなペンギンの身体測定をします。
ひなペンギンを足の間に挟みます。
レインコートを着ているのはペンギンのふんや吐しゃ物で服を汚さないためです。
ひなペンギンはピンチになるとそれらをかけて抵抗してきます。
くちばしの攻撃も力強いので,しっかり押さえます。
ノギスをつかって,頭部からくちばしの先端までの長さを測ります。
スーパーの袋にいれて体重を測ります。
このペンギンのなされるままな感じがかわいい。
ノギスをつかったくちばしの長さから骨格の成長具合をみて,体重の変化との関係性をみます。
これにより,ひなペンギンの栄養状態を確認し,順調に成長しているかを調べます。
この研究者の方は,この研究を20年も続けていらっしゃいます。
基礎研究は積み重ねが大切です。
長年調べることにより,少しずつ,その対象のことがわかってくるのです。
当然ですが,野生動物ですから,勝手にこのようなことをしてはいけません。