ヨーロッパの美しき日々

GDP世界一のお金持ちの国ルクセンブルクがどんな国なのか,ドイツやフランスなどの周辺国の旅行記事とともにレポートします。

人生を楽しむコツ

 
 


 仕事に追われている。
 休みの日なのに,気がかりなことがあって心が休まらない。
 そもそも休みがない。

 現代の日本を生きる人なら,だれでもそう感じたことがあるはず。

 時間がない。
 時間がない。

 いつも頑張っている自分。
 大切にしてあげたい。
 
 そのために,現代人は時間がないのだけど,生きること,生活のちょっとしたことに時間をかけてあげる。
 それができたとき,今日も生きててよかった,と思える時間がつくれるはず。

 ルクセンブルクのスーパーには,パスタソースがあまり売っていない。
 こんなにパスタが主食なのに。
 正確に言うと,トマトソースはいくつかある。けどそれだけだ。

 日本の品ぞろえの良さに驚かされる。
 カルボナーラ。和風めんたいこ。ポルチーニのクリームソース。
 ボロネーゼ。アラビアータ。

 ソースを温めてあえるだけ。
 味もなかなかおいしい。

 それだけど,ルクセンブルクではそのソースが売っていない。
 売っていないから自分で作る。

 この,「買ってくればすぐ済むことを,時間をかけてやってみる」ことが,人生を楽しむことや,心に栄養を与えることにつながる。

 卵を割って。黄身だけ取り出し。
 ベーコンを炒め,チーズを削る。

 ひとつひとつの工程が,五感を刺激する。
 自分の頭で考え,行動する。完成品のことをイメージする。

 人として生きる喜びが「時間をかけてやってみる」ことにたくさんつまっている。

 どうか,忙しい時間の中に,自分のために使える価値ある時間が増えていきますように。



 パルミジャーノを塊から削る。
 粉チーズと風味,香りの違いに感動する。

 火加減が難しい。ちょっと強いとだまになてしまうし。
 熱が足りないとチーズが解けない。
 まだまだカルボナーラの研究は終わらない。