人生を楽しむコツ
仕事に追われている。
休みの日なのに,気がかりなことがあって心が休まらない。
そもそも休みがない。
現代の日本を生きる人なら,だれでもそう感じたことがあるはず。
時間がない。
時間がない。
いつも頑張っている自分。
大切にしてあげたい。
そのために,現代人は時間がないのだけど,生きること,生活のちょっとしたことに時間をかけてあげる。
それができたとき,今日も生きててよかった,と思える時間がつくれるはず。
ルクセンブルクのスーパーには,パスタソースがあまり売っていない。
こんなにパスタが主食なのに。
正確に言うと,トマトソースはいくつかある。けどそれだけだ。
日本の品ぞろえの良さに驚かされる。
カルボナーラ。和風めんたいこ。ポルチーニのクリームソース。
ボロネーゼ。アラビアータ。
ソースを温めてあえるだけ。
味もなかなかおいしい。
それだけど,ルクセンブルクではそのソースが売っていない。
売っていないから自分で作る。
この,「買ってくればすぐ済むことを,時間をかけてやってみる」ことが,人生を楽しむことや,心に栄養を与えることにつながる。
卵を割って。黄身だけ取り出し。
ベーコンを炒め,チーズを削る。
ひとつひとつの工程が,五感を刺激する。
自分の頭で考え,行動する。完成品のことをイメージする。
人として生きる喜びが「時間をかけてやってみる」ことにたくさんつまっている。
どうか,忙しい時間の中に,自分のために使える価値ある時間が増えていきますように。
パルミジャーノを塊から削る。
粉チーズと風味,香りの違いに感動する。
火加減が難しい。ちょっと強いとだまになてしまうし。
熱が足りないとチーズが解けない。
まだまだカルボナーラの研究は終わらない。